2011/05/02

仕立て屋が作るオーダーメイドシャツ「補正」

前回、簡単にシャツオーダーの流れをご説明させていただきましたが、その中でも今回は、イプシロンの補正について詳しくご紹介させていただきたいと思います。


まず、流れとしては、代表船橋が長年の経験から色々な体型に合うよう考え、作り出した基本となる型紙のゲージサンプルを着ていただきます。
その着ていただいた状態から、補正を行います。私共はバスト寸法を基準に(これはJKTも同じ)シルエットのバランスを見てゆきます。例えばお客様の体型が標準寸法バランスに対し、肩幅やウエストがせまければそれにあわせて型紙上でけずり、逆に足りなければだしたりと、調整していきます。同じように袖丈、着丈、身幅などお客様の体型に合わせていきます。

ゲージを着ていただく意味としては、当然こちらがバランスを見るのに把握しやすいということがあげられますが、お客様の目線からも出来上がりをイメージして頂きやすいというメリットももございます。

そして、ここからがイプシロンシャツの真の補正です。

私共はオーダーして頂くお客様に対し、必ず体型写真を撮らせていただいております。これはなぜかと言いますと、お客様の体型を保存できるだけでなく、バランスを見るのにとても重要な資料となるからです。

もちろんメジャーにて寸法も頂戴いたしますので、屈伸・反身など数値上でも確認できるのですが、 それと体型写真を見比べることで、より間違いの少ない寸法と体型を把握することが出来ます。
これにより仮縫いを行うこのなく、前後のバランスのとれたシャツをお作りすることが可能となります。

さらに、一般的なオーダーシャツでは、左右の袖丈を測りそれぞれ異なった長さの袖丈でシャツをお作りする店がほとんどかと思いますが、弊社の場合、左右の袖丈をかえることはほとんどございません。その代わりに、肩下がり(肩の傾斜)に差寸をつけます。
人の顔が左右対称ではないように、人の身体も左右対称ではないのです。

手の長さが左右違うのではなく、左右の肩の位置が違うのです。
同じよう、左右の足の長さが違うのではなく左右の腰の位置が違うのです。

※もちろん例外もございます。体型はお客様一人ひとり全て違いますので一概に「こうだ」と言うことはございません。よって、なにが正解で何が不正解と言うこともございません。

これは船橋の理論ですが、シャツに限らず、全てのアイテムに共通して行っているイプシロンの補正のひとつです。
また、シャツに仮縫いを行わない理由としては、JKTは前身と後身の2パーツで構成されている為、必ず仮縫いを行いなければ、身体にあったバランス をとることは困難です。一方、シャツにはヨーク(前身と後身の間にある肩の部分を切り替えたパーツ)がある為、肩にしっかりとのりやすいのです。

※もちろん仮縫いのオプションもございます。+10000円より

長くなってしまいましたが、ここまでお読みいただきありがとうございます。是非一度、お試しいただければと思います。違いを分かっていただけるはずです!


ご来店前に、お電話をいただければ幸いです。



写真は、お客様に着て頂くゲージサンプル。
バランスを把握しやすく生地の字の目も確認できるために格子柄を使用しています。