2015/02/14

H.Lesser & sons GOLDEN BALE 3ピーススーツ

先日お納めした3ピーススーツ(Distintoお仕立て)のご紹介です。


”H.Lesser & sons GOLDEN BALE” 3ピーススーツ(Distinto)

知る人ぞ知る英国の高級服地ブランド「H.Lesser」の中でも、更に最高級のGOLDEN BALEです。
ここまで良い服地でしたら、当店のハンドの割合の多いDistinto仕立てが間違いないですね。
当店では珍しい3ピースですが、色柄とマッチしてクラシックな雰囲気むんむんです。

ちなみに、この日お客様が着ていらっしゃったシャツも当店のオーダー、タイも当店オリジナルの50オンスタイです。
いつもありがとうございます!


肩まわり、首の後ろのポイントにもきっちり乗っています。

お客様は「本当に上着を着ていないような感覚」と仰っておりました。

体型と服のバランスが合っていて、更にDistintoでは肩パットも手作りしていますので、肩まわりの感触は驚くほどソフトで軽く仕上がっています。この条件が相まって重量の全く感じない服になっています。

Distinto仕立てとBuono仕立ての違いは画像では伝わりにくいとは思います。
その違いとは、主に表には見えない部分の手縫いの量、手のかけ方が倍以上違います。
我々の目指すスーツは、構築的かつ立体的に見え、しかし軽く柔らかくなければなりません。
この相反するテーマを両立させるためには、要所はミシン・要所は手縫いの使い分けが必要で、その使い分けの部分がDistintoとBuonoの違いとなります。

例えば、

スーツの前身頃には毛芯という芯が入っていて、胸の部分には更にバス芯という硬めの芯も入っています。この毛芯とバス芯を縫い合わせて一枚の芯にするのですが、この縫いを専用のミシンを使うか手で一針一針縫い合わすかで立体感と柔らかさが変わります。もっと言うとこの芯を立体的にするためにダーツというものを入れますが、そのダーツを縫う際に使うテープもDistintoとBuonoでは違います。

この細かい違いが一着のスーツの中に山のようにあります。
一つ一つは些細な差かもしれませんが、この差が出来上がりと着用時に大きな違いとなります。

船橋がよく「バランスが完璧に合った服は、ジャージより着やすい」と言います。
ストレッチの効いたジャージがスーツより着やすいはずがないと思う方が大半でしょう。しかし、ジャージを着た時の事を思い出した時、首や肩まわりに違和感はありませんでしょうか。なんとなく服が後ろに引っ張られる感覚や肩先が当たる感覚。そこまでではないにしても「着ていないような感覚」は得られないように思います。

Buono仕立てでも、フィッティングの部分はDistinto仕立てと同様なので、着心地は抜群です。
しかし、Distinto仕立てでしか味わえない感覚や感触というものも是非皆様に体感していただきたく思います。

長くなりましたが、Buono仕立てとDistinto仕立ての違いのお問い合わせも多いので、かいつまんで説明させて頂きました。

O様、またのご来店お待ち致しております!