2015/07/25

ミラノ万博便り2

ミラノにいる船橋の娘さんからミラノ万博の写真が届いたので、ご紹介いたします。


こちらの銅像、triulzaゲートを入ったすぐにあり、題名は「Il Popolo del cibo」(食の民)といいます。Oscar Dante Ferrattiという芸術監督が今回の万博のために製作したそうです。
ミラノ出身の画家であるarcimboldo(wiki)の果物や野菜でできた人間の顔の絵が今回のミラノ万博のイメージキャラクターで、その絵に基づいてデザインされております。
高さはなんと3.5m!

ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、今回の万博は「地球に食料を、生命にエネルギーを」というテーマですので、こうような食に密接したアート作品があるようですね。

こちらは日本館の入り口です。

写真を送っていただいた7月11日はジャパンデーの日で、ねぶた祭りや吉田兄弟などのライブもあって日本館は行列していたようです。(ブログのアップ遅くなってすいません)

またお便りが届きましたらこちらに紹介いたします!

2015/07/22

ホンコンシャツ 

梅雨が明け、驚くような暑さですね。
30度を超す日が当たり前のようになっております。

そんな夏に着たいシャツのお仕立てのご紹介です。

ホンコンシャツ
LINEN 60% COTTON 40% オリジナルシャツ地

”ホンコンシャツ”とは、いわゆる半袖開襟シャツです。第一釦を止めてネクタイも出来ます。
ホンコンシャツという名称はテイジンの商標のようですが、1960年代に大流行しました。今回はその”ホンコンシャツ”をオーダー頂きましたので、その名称で通しております。

シャツ地はサルトリアイプシロンオリジナルのコットンリネンです。カルロ・リーバのようなクオリティの生地を日本で作るというコンセプトで織元さんと協力して作りました。160番手双糸のコットンと100番手単糸のリネンを使っております。
このシリーズで140番手双糸のコットン100%の生地もあります。

ゆったりとしたボックスシルエットと長めな襟幅、半袖も少し長めで雰囲気が出ております。

パンツも先日こちらでお仕立てしたものです。色柄がシャツに合っております。ブログには載せられませんが、この上下にパナマハットも被っておられ、バッチリなスタイリングでした。

S様、いつもありがとうございます!またのご来店お待ち致しております!

2015/07/19

Irish linen 100% pleated trousers Buono仕立て

遂に夏がやってきた感がありますね。
そんな夏に最適なパンツをお仕立てしました。

Irish linen 100% pleated trousers (Buono仕立て)

アイリッシュリネン100%の2タックパンツです。色味は薄いピンクベージュという感じでしょうか。綺麗な色味です。

こちらの生地は船橋がイタリアにいる頃にストックしていたアイリッシュリネンです。ネームがありませんので、残念ながらブランドは不明です。が、触ると良い生地だと分かります。割と薄地なのですが弾力があり、最近の薄いリネン地とは一線を画しております。

2タックとこのリネン生地の相性が抜群です。

O様、ありがとうございました!




2015/07/17

Saggio #7

「カラチェニで出会ったアウレリオ」


 ローマで知り合ったペレグリーノ(Saggio#2参照)は、ACCADEMIA NAZIONALE DEI SARTORIの理事をやっていたので、ローマイタリア各地の大御所サルトと面識があった。
その縁で、トミー&ジュリオ カラチェニ※1で勉強できるように手配してもらえた。トミー&ジュリオカラチェニはヴィットリオヴェネト通りからちょっと入ったカンパーニャ通りにあった。

 普通のマンションの1階全部が店と工房になっており、各部屋で職人たちが仕事をしていた。私はマリオとアントニオのコンビの部屋で縫製の仕事をさせてもらう事となった。
工房には約10人くらいの職人達が働いていたと思う。皆個性的な性格で、今考えても映画のような情景が思い出される。
顧客にはシャンソン歌手のシャルル・アズナブールがロールスロイスに乗ってやって来られていた。

 カラチェニには常駐している職人とは別に、下職の人たち※2もたくさんいた。
その中の一人、アウレリオ・ボルゲッティ(AURELIO BORGHETTI)は、Forbici D'oro※3の2位を取った方で、独立しながらカラチェニの仕事もされていた。彼が夜も晩くまで仕事をしているのを知っていた私はそこに目を付け、彼の家へ通うようになった。夜9時頃になると仕事台が食卓に変わり、奥さんのアンナマリアさんが手際よく夕食の準備をされていた。私も何度となく御馳走になった。アウレリオのマンションの管理人のラウラがパンツの職人で、アウレリオの良きパートナーだった。彼女の縫うパンツは本当に縫い目が粗い手縫いのパンツなのだが、それが何とも言えない味を醸し出していた。
息子のマルコは当時8歳くらいだった。そのマルコも今では後を継ぎ、サルトリア・ボルゲッティをやっている。アウレリオもマルコも、私が使っていた日本の鋏を気に入り、私が日本に行く度に鋏を買ってきてくれと頼まれていた。
昼はカラチェニで勉強し、夜にアウレリオの自宅へ行くという生活が続いた。
よく、イタリア人は働かないなどと言われているが、私はイタリアの職人達が本当に良く働くということを直接肌で感じた。

アウレリオは2008年に惜しくも亡くなってしまったが、彼に教わったサルトとしての生き様は忘れてはならないと思っている。


トミー&ジュリオ カラチェニの外観
この1階部分が工房になっている。当時船橋は真ん中あたりの窓の所で仕事していた。

アウレリオ・ボルゲッティ氏
イタリアのサルトの縫製から生き方まで、氏から学び得たものは多大だという。



※1 トミー&ジュリオ カラチェニ ・・・・ イタリアの伝説のサルト、ドメニコ・カラチェニの系譜の一つ。トミーとジュリオはドメニコの甥にあたる。ちなみに当時世界的に有名だったアンジェロ・リトリコの店は近くのシチリア通りにあった。

※2 下職 ・・・・ 店に常駐していない職人。個人で独立しながら他の店の職人として縫製などの仕事を請け負っている。

※3 Forbici D'oro (フォルビチ・ドーロ) ・・・・ イタリア、サルト界で最も権威のあるとされる賞。

2015/07/16

EDWIN WOODHOUSE wool&mohair GIACCA CAMICIA Buono仕立て

まだまだじめじめと梅雨が続いております。

こんな蒸し暑い時期でもジャケットを着ないといけない方に最適な、GIACCA CAMICIA仕様のジャケットのお仕立て上がりのご紹介です。

EDWIN WOODHOUSE  wool74% / kid mohair26%
GIACCA CAMICIA仕様(Buono仕立て)

当店で大変人気のあるウッドハウスのメッシュのようなジャケット生地です。織りのシャリ感と風通しの良さがGIACCA CAMICIA仕様との相性抜群です。モヘア混で仕立て映えもしますので、メッシュ芯1枚でも立体感があります。

今年の春夏は例年にも増して明るい紺やブルーのお色が人気ですね。当店ではこのようなお色味には、紺に染めた貝ボタンをおすすめしております。

濃紺に染められているので通常の貝ボタンより良い意味で目立たず、大人な遊び感があります。
今回のお客様も気に入っていただけたようです。


O様、いつもありがとうございます!

2015/07/11

EDWIN WOODHOUSE "SUMMER COMFORT" SUIT Distinto仕立て

梅雨ですね。じめじめと鬱々とします。たまの快晴が夏を感じさせますが。。。

ここのところ出来上がりを発送させていただくパターンがずっと続いておりまして、なかなかお仕立て上がりのブログを更新できずにいます。皆様お忙しいようで・・・。

本日はフィニッシュ間近にたまたまお越しいただけたお客様の着用画像が撮れましたので、ご紹介いたします。

EDWIN WOODHOUSE "SUMMER COMFORT" SUIT上下(Distinto仕立て)
GIACCA CAMICIA仕様

英国生地ブランド、ウッドハウスの夏に特化したウール100%、250gmsの生地でお仕立ていたしました。写真では穿いておりませんが、上下でのお仕立てです。
AIR WOOLやAIR WAYなど、夏に特化した生地を数々出しているウッドハウスの名作生地"SUMMER COMFORT"です。軽量でシワになりにくく、風通し抜群です。
さらにジャケットはGIACCA CAMICIA仕様で、ズボンのひざ裏もメッシュのものにしておりますので、夏に着ていただけるスーツです。

ジャケットの芯もメッシュ芯1枚でぺらぺらですがそうは見えません。

座っても綺麗に乗ってます。

同じ生地の無地の紺でジャケットも御注文いただいており、こちらは中縫い画像です。
替え上着ですので、腰ポケットはアウトポケットで、ラぺル幅や着丈など、微妙に変えております。

M様、いつも有り難うございます!