2017/01/27

チェルッティ Cerruti フェア開催です

2017年になり、1月もあっという間に終わろうとしている今日この頃ですね。
あと1ヶ月ちょっとで2017春夏の立ち上がりです。

そんな春が近づいている時期なのですが、こちらの生地をご紹介させて頂きます。





こちらの生地はイタリア・チェルッティ社のものです。目方は凡そ400gms/mほどのしっかりとした肉厚なツイードに近い冬物生地です。
昔の生地には多く見られましたが、今ではあまり見ない生地の裏側にブランドスタンプが押されています。


実はこの生地、船橋がローマに来て3年後の1980年、ローマの泥棒市(蚤の市)にて見つけ購入したものです。当時は60年代に織られた生地だと言われ購入したそうですが、はっきりした証明は無く、その商人が言っていた年代と生地の耳にある"CERRUTI"という文字とデザインでなんとなく古いものだろうという曖昧な認識でした。

しかし先日、チェルッティジャパンの方を通してイタリアのチェルッティ社に調べてもらった結果、少しだけですが詳細が判明し、以下の回答をいただきました。

「この生地は1979年にパリのチェルッティ旗艦店 "CERRUTI 1881"の注文服用生地としてNino Cerruti本人がデザインした貴重な品番です。
クラシカルな雰囲気の中にモダンな印象を与えたデザインは、今の時代になっても色褪せることの無い芯の強さを感じさせる生地となっております。」


なんと!60年代ではないじゃないですか!船橋が購入した1年前に作られた生地だったのです。

しかし、当時では新しい物かもしれませんが、年月が経ち今や約40年前に織られたCerrutiの貴重なビンテージ生地となりました。
確かにこの色柄は特徴的ではありますが、特段古臭いというものでは無く、今この生地でジャケットを作っても違和感無く着られるデザインは流石です。
目立ったへたりも無く、丁寧にしっかりと織られたであろうことは感触ですぐに分かります。


今年2017年は、船橋がローマの地に降り立った1977年からちょうど40年という記念すべき年という事もあり、船橋の根幹にある「70年代ローマンスタイル」を今一度認識して頂こうと思い、この度この生地を使用したサンプルジャケットを作りました。



如何でしょうか。生地で見るより実際のジャケットになると印象が変わります。
細かい柄は遠目では目立たず、綺麗なブルーグレーのジャケットです。普段着用されるのにも全く問題なく、むしろ着回ししやすい色味です。

そしてディティールも今までのものとほぼ変わりませんが、ラペルを少しだけ当時のローマスタイルっぽくしております。

仕立てはジャッカカミーチャ仕様にし、現代的軽さは保っています。

こちらの生地はあとジャケット2着分はございますので、ご興味のある方は是非一度ご来店下さいませ。

そして、このビンテージチェルッティの生地の良さも含め、チェルッティ社の生地のクオリティの高さを皆様にお伝えしたく、今回下記日程でチェルッティフェアを開催致します。


CERRUTI チェルッティ フェア

2月1日(水)~3月5日(日)



今回のフェアでは、このビンテージチェルッティの生地の他、少量ですが店頭在庫のチェルッティ生地でのお仕立てを期間限定価格にてお出ししています。
少しご紹介を。


こちらも少し古いチェルッティの春夏スーツ地
淡いグレー地に細く入ったストライプが綺麗です。

こちらは現行のチェルッティです。
"NOBILITY" スーパー150's のスーツ地です。
明るい紺に茶のピンストライプと、グレー地に薄赤のチェックの2種類です。


チェルッティの生地は、イタリア生地らしい柔らかさと高級感が漂っています。
また、他のブランドにはない繊細で都会的な色柄が多いのも特徴です。ビンテージ生地の方にもその特徴は表れている気がします。

このフェアの機会に、少しでもチェルッティの生地の魅力を皆様に知って頂けたら幸いです。

※フェア対象の生地は売り切れ次第終了となります。



サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

東京都中央区日本橋本町4-7-1イマスHKビル5F-B

03-6225-2257

info@sartoriaypsilon.jp






2017/01/25

コットンコートお仕立て上がり ARISTON アリストン

ここ数日の寒さはまさに1月という感じですね。
しかし、季節はあと数ヶ月で早くも春です。そんな春に向けて、コットンコートのお仕立て上がりのご紹介です。


ARISTON アリストン コットンダイアゴナル
シングルコート 


イタリア・ナポリの生地メーカー、アリストンのコットンダイアゴナル(ツイル)です。少し起毛しており肉厚です。
しかし、触るとしっとりと柔らかでごわつく感じは全く無く、非常に上質なコットンであるとわかります。
綺麗なブルーグレーですが起毛しているので発色が抑えられ、派手すぎない色味が良いです。

ワイドなノッチラペルに、シングル3つ釦、箱ポケット使用のシンプルなデザインです。デザインで前の重なりを通常のコートより深く取っておりますので、防寒性も備えております。


後ろもシンプルにセンターベント。



体型のバランスに服が合っておりますので、ボタンを開けても前の部分がストンと真っすぐのままです。
これが斜めに開いたり重なったりするとバランスが合っていないという事になります。


まだサラッとした綺麗な表面ですが、着ていくうちにコットン特有のアタリ感などが徐々に出てきて良い雰囲気に変化していくと思います。

秋冬のコットンですが色味も含めてスプリングコートとしても着用可能ですので、年間通して着る機会は実はかなり多い便利なアイテムです。是非ガシガシ着て頂きたいですね。


T様、いつも有り難うございます!またのご利用お待ち致しております!


2017/01/22

シャツのオーダーについて

以前ブログにてご案内しておりますがお問い合わせを多く頂く為、今一度シャツのオーダーや仕立てについてご案内いたします。



・シャツのオーダーシステム
デザイン、生地を決定し採寸
型紙作成
(初回のみ仮縫いを行います。)
仕立て、お渡し

以前はご希望のお客様のみ仮縫いでしたが、現在ではより体型にフィットしたシャツを仕立てる為、初回の方はシーチングにて仮縫いをお願いしております。*仮縫いオプション+¥10,000(税別)



・基本のデザイン
ヨーク、カフスはギャザー切り替えで柔らかい雰囲気のシャツとなり、襟はワイドカラー、カフスはシングルが基本ですがご希望により変更も可能です。
ミラノカフスやダブルカフスにする方もいらっしゃいます。

こちらはミラノカフスの見本でございます。
他社ではターンナップカフスとも言います。



・取扱い生地
イタリア : CACCIOPPOLI , CERRUTI , Reiser&Livaditi
イギリス : Ringhart

お勧めはCACCIOPPOLI カチョッポリです。
ナポリの創業のマーチャントでシャツ生地の色柄も豊富です。
リネンのコレクションも種類が多く人気の要因の一つだと言えますね。
Price
¥52,000(税抜)~



CERRUTI チェルッティは繊維産業が盛んなビエラ地区に工場があり、その中でも最高品質の工場として知られております。
種類こそ少ないものの、細番手の繊細な生地はとても高級感があります。
Price
¥52,000(税抜)~



Reiser&Livaditi レイザーリバディティ、こちらはミラノにて生地を製造しており1970年創業のシャツ生地専門の老舗メーカーでございます。
クラシックなデザインとクリエイティブな配色のストライプなどもあり面白く、品質も申し分ないのですが日本ではあまり知られておりません。
弊社では代表の船橋がイタリアで買い付けた生地がいくつかございますので、ご要望の際はお申し付け下さいませ。
Price
¥39,500(税抜)~



Ringhart リングハートは1978年創業のロンドンにあるシャツ生地マーチャントでございます。
弊社が取り扱うメーカーの中で最も種類の豊富な750種。
その中にはロックの黄金期を彷彿とさせるサイケデリックなテイストもございます。
Price 
¥42,000(税抜)~



・仕立てについて
イプシロンのシャツは糊を一切使用しておりませんので、ソフトで軽い仕立てでございます。
その理由として素材にこだわることが挙げられます。
弊社で扱うシャツ生地は100%天然素材で織られているため使用する糸や芯地も綿100%にすることで生地とのなじみが良く、更に芯地は糊のついていないフラシ芯ですので何度も着用、洗濯する事で柔らかい味のあるシャツになっていきます。



また、縫製を行う際にもこだわりがあります。
まずは糸、100番手や場合によっては120番手とかなり細い綿糸を使用し細かいピッチ(縫い目の幅)で縫い上げます。
そのため通常使用される60番手の糸と比べると、縫い目が固くなりにくくエレガントな仕上りとなります。
また裾や脇の縫い代ですが、通常は5mm以上幅を取るところ当店では3mm以下の縫い代で縫い上げている為ドレッシーな印象のシャツとなります。



さらにミシンと手縫いを併用しておりますので、襟やカフスの内側を手でまつる事により縫い目が固くならず、ボタンホールやボタン付けも手縫いを施す事で既製品にはないストレスフリーなボタンの掛け心地を体験頂けます。
この他にも下の襟の写真の様に表襟にゆとりを入れ、表側と裏側にゆとりの差をつけることで襟が立体的に仕上り、着用する際に襟が自立する縫製の仕様など説明始めると止まらなくなってしまいますね。



この様に弊社のシャツはお客様がお召し頂いた際にどれだけ体に馴染み自然な着心地であるか、その上で見た目のエレガントさや雰囲気があるかを重視した仕立てであるか簡単にですがご説明致しました。
以前載せていたブログにて更に詳しい内容を載せておりますので、もっと細かく知りたいという方は是非こちらもご覧ください。

過去ブログ:仕立て屋が作るオーダーメイドシャツ






サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

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2017/01/21

イタリア便り 4 ミラノ

イタリア便り最終です。

この日はいつもの副資材の買い付けで、「付属屋」(オーダー業界用語です)に。


何度かブログに登場しておりますが、兄弟で営まれている付属屋さんです。
冬場でも暖房ありません。ダウンを着てます。

貝ボタンを出しているところ。

染め貝ボタンで絶妙な色味のものはなかなか日本では手に入らず、いつもこちらで買っております。
今回はグレーと茶に染めたものを。

その他色々コート用袋地やら裏地やらを買いました。

年季の入った机など、店のレイアウトなんかは日本の付属屋とあまり変わりませんが後ろにあるカラフルな裏地たちが少し違いますね。


続いてミラノ中心地をぶらり。

ステファノ・リッチ

ドルチェ&ガッバーナ

アルマーニ

こちらはイタリア大手の百貨店「La Rinascente」リナシェンテ
クリスマス時期のお菓子が安く売られているのでしょうか?


リナシェンテ上階の回転寿司屋。

結構長く営業されているそうです。壁の絵が外国から見たTHE 日本なのですね。


ホームレスの方が飼っている犬。

イタリアではホームレスが犬を抱いて施しを求めるそう。
そして施しを与えると自分に徳が返ってくるという考えのようで、皆施しを与えるそうです。
この辺り、日本とはやはり文化というか考え方が少し違うように感じます。


サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会

あのダ・ヴィンチの「最後の晩餐」がある教会です。
今はネットで予約しないと見れないそうです。


そして、夜はミラノ郊外にあるレストラン「La Rampina」でエディターの矢部さんと会食。




今までの食事のお皿とはちょっと違い、すごく綺麗な色どりですね。
高級感が漂っております、、、。

ランピーナは30年来の行きつけのレストランで、ミラノの有名レストラン「マルケジーノ」のオーナーであるマルケージ氏も食べに来られるレストランです。

ランピーナに関してはよしさんもブログで書いてますので、そちらも是非ご覧ください。
Yoshi Funabashiブログ



イタリア便りは以上です。
船橋は既に日本に帰国しております。
お店も変わらず通常営業しておりますので、皆様のご来店心よりお待ち致しております。



サルトリアイプシロン Sartoria Ypsilon

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2017/01/20

イタリア便り 3 ピッティ・ウオモ

イタリア便り3日目はピッティ・ウオモです。


ご存知の方も多いでしょうが、ピッティはイタリア・フィレンツェで年2回行われるメンズファッションの展示会で、メンズファッションのトレンドを発信しています。
ビジネス寄りのスタイルが主ですので、所謂コレクションブランドのトレンドとは少し異なりますが、メンズファッションのメインはこちらといっても過言ではありません。

我々のようにオーダースーツを作っている人間も無視は出来ない展示会です。

船橋はここ最近は会場に出向く事は無かったのですが、今回はスケジュールも合ったのでよしさんと二人で1日だけ行ってきました。


フィレンツェの駅に到着。
昔はよく車でピッティに行っていましたが、今回はミラノから高速鉄道の「FRECCIAROSSA」に乗って。驚いたことに最高時速300km/hになっていました。



ピッティ会場城壁

よしさん

会場入り口





会場外。すごい人の数です。

会場内入り口





ベルベストのブース

ロータ

フライ

ステファノ・リッチ

バグッタ
アルマーニのシャツを縫っていることでも有名なCIT社のブランドです。
ここの会長のピーノ・ガヴァゼーニ氏はよしさんの仲人を務めて下さいました。現オーナーはピーノ氏の息子アントニオ氏です。



サルトリア・スクデリ
ローマ近郊のビテルボにある工場で、そのオーナーと25年ぶりの再会です。
船橋がローマにいた当時、一時展開していた既成のジャケットとパンツを縫ってもらっていた工場
です。その頃は写真の方のお父様がオーナーで、こちらの息子さんの方はまだかなり若かったようです。



遅めのお昼はよしさんお勧めのレストラン「La Spada」にて
ラビオリ

Bistecca Fiorentina ビステッカ・フィオレンティーナ

La Spadaのレシート可愛いです。



そしてそのままサンタ・マリア・ノヴェッラ聖堂を通り帰路に

謎のオブジェ


帰りの電車に犬同伴の乗客が。
皆犬を跨いで行きかうそうです。



ピッティ便りは以上です。

ピッティは盛況だったようで、服の印象としては全体的にはやはり軽めの仕立てが多かったとの事です。懐かしい出会いもいくつかあり、行って良かったみたいですね。


ピッティも然ることながら、サンタ・マリア・ノヴェッラや食事、電車内の写真から普段のイタリアの空気が感じられる気がします。